2014年1月19日日曜日

2013年のベスト・ディスク10枚

1.Nicholas Krgovich “Nicholas Krgovich”


No KidsやGigiなどのグループで活動しているNicholas Krgovichのソロ作品。2013年の1月に購入してからずっと聴き続けている。彼のことはこのアルバムで初めて知ったが、No Kidsのアルバムもとても良かった。
メロディーもアレンジもとても洗練されていて完成度が高い。都会の夜の音楽。夜中にドライブしながら聴いたら最高だろう。“The Backlot”や”Cosmic Vision”は本当に素晴らしい曲だ。



2.James Brake “Overgrown”


春頃にはあまり聴かなかったが、秋あたりからよく聴いていた。寒いときに一人で聴くとこのアルバムの良さが手に取るように分かる。
1stアルバムも良かったが、ボーカルの存在感が増し、メロディーも良くなったこのアルバムのほうが断然好きだ。前半の“Retrograde”までの流れは最高。最後の“Our Love Comes Back”も素晴らしい。



3. 長谷川健一『423』



長谷川健一はここ数年の自分の中で麓健一と同じくらい大切な歌い手だ。『星霜』や『凍る炎』のように暗めの歌詞が好きだったので、このアルバムの優しく温かみのある歌詞に初めは馴染めなかった。でも結婚生活を送っているうちにだんだん共感できるようになった。
東京に住むようになってから何度も長谷川健一のライブを観に行っているが、いつか彼の本拠地である京都でライブを観たい。きっと聴こえ方が違うだろうと思う。



4.Nils Frahm “Spaces”


2年間の膨大なライブ音源をコラージュして作られた作品。どんな編集をしているのかよく分からないのだが、ただのライブアルバムには聴こえないところがこの作品の不思議で魅力的なところだ。
是非とも来日公演を観に行きたかったが、ちょうど同じ日に妻のお父さんとお母さんが東京に来て、一緒に年末ジャンボを買ったりスカイツリーに登ったり酒を飲んだりしていたので行けなかった。



5. 細野晴臣『Heavenly Music』


2012年と2013年の京都音楽博覧会での演奏が素晴らしくて、それまではあまり興味がなかったのに、好きになった。カバーアルバムだけどアレンジが良い。ライブでもとにかく演奏が楽しそうだった。



6.Nicked Drake “Wreith"


Gareth DicksonがNicked Drakeという名義でリリースしたアルバム。全曲がNick Drakeのカバー。2013年はNick Drakeにはまってよく聴いていたので、とても良いタイミングでこのアルバムと出会うことができた。




7.James Blackshaw & Lubomyr Melnyk “The Watchers"


James Blackshawは、”Love Is The Plan, The Plan Is Death”という素晴らしいアルバムを聴いてからすっかりファンになった。”The Watchers"はLubomyr Melnykとの共作で、即興演奏。12弦ギターとピアノの音の粒がシャワーみたいに自分に降り掛かってくる感じがして本当に気持ちいい。



8.Oneohtrix Point Never “R Plus Seven”


前衛音楽を聴くのはけっこう疲れるものだが、かなりポップで聴きやすい。
特に2曲目の”Americans”は次から次へと新しい情報が耳に入ってくるのに、その配列がとても美しいと思える。前作の”Replica”も素晴らしかったが、比べ物にならないほど進化している。こんな音楽、どうやったら思いつくのだろう。



9.Vampire Weekend “Modern Vampires Of The City”


1作目からのファンだったが、3作目にしてやっと長く聴けるアルバムを出してくれて嬉しかった。歌詞は今までのアルバムより難しいので、何を言っているのかよく分からないところが多くて悔しい。



10.Peter Broderick “Float 2013”


Peter Broderickの2008年の1stアルバムをNils Frahmがリマスタリングした作品。
2012年の”These Walls Of Mine”のような個性的なアルバムのほうが好きだけれど、これもとても良い。ピアノとストリングスの音でしんみりしたいときにはうってつけのアルバム。



2014年1月13日月曜日

2013年の映画ベスト10



1. ホーリー・モーターズ(レオス・カラックス)
http://www.holymotors.jp/
レオス・カラックス13年ぶりの長編映画。劇中で主人公が役者をやめない理由を聞かれて「行為の美しさ」と言うように、リムジンの中で様々な姿に変身し、外に出るとその役を全身で演じきるドニ・ラヴァンの姿がとても美しい。メルドがゴジラのテーマ曲をバックに墓の花を貪り食う場面が最高。


2. ムード・インディゴ〜うたかたの日々〜(ミシェル・ゴンドリー)
http://moodindigo-movie.com/
ボリス・ヴィアンの『うたかたの日々』は大学時代に卒論のテーマにしてしまうくらい好きな、思い入れのある小説だ。小説の世界の基礎になっている即興的な言葉遊びがとてもうまく表現されていたし、ミシェル・ゴンドリーの原作への愛がよく伝わってくる映画だった。原作にはないが、大勢の人がタイプライターを打ち、そこから物語が生まれてくる冒頭のシーンは本当に素晴らしかった。


3. トム・アット・ザ・ファーム(グザヴィエ・ドラン)
http://tiff.yahoo.co.jp/2013/jp/lineup/works.php?id=W0004
東京国際映画祭で上映されたグザヴィエ・ドランの最新作。友人の葬式のために農場を訪れた主人公が、友人の兄により危険な状況に追い込まれる。乱暴な友人兄に対して主人公が抱く気持ちが、恐怖から服従へ、そして「好き」へと変わっていく様にゾクゾクした。


4. イングマール・ベルイマン3大傑作選+秋のソナタ(イングマール・ベルイマン)
http://www.bergman.jp/3/
3大傑作選の作品は『第七の封印』、『野いちご』、『処女の泉』の3つ。2013年はベルイマンの生誕95周年で、ユーロスペースでは『秋のソナタ』や『サラバンド』も上映していた。『サラバンド』は残念ながら見逃したが、『秋のソナタ』を観たときは凄まじい映画だと思った。


5. 女っ気なし(ギヨーム・ブラック)
http://sylvain-movie.com/
もさっとして女っ気のない男が、バカンスを過ごすために海辺にやってきた親子へ恋愛感情を抱く話。併映された『遭難者』でもそうだが、この主人公がとにかく優しくていいやつで、好きにならずにはいられない。


6. マイ・マザー(グザヴィエ・ドラン)
http://www.ikilledmymother.net/
グザヴィエ・ドランの処女作。19歳でこんな完成された映画を撮ってしまう才能に驚く。<J'ai tué ma mère.>(僕は母を殺した)という原題だが殺したり肉体的に傷つけるわけではなく、主人公は母親を言葉で傷付けている。息子は母親に逆らいながらも決して離れられず、本当は好きでたまらないのだということを映画が言っていたような気がする。


7. わたしはロランス(グザヴィエ・ドラン)
http://www.uplink.co.jp/laurence/
2013年の後半はドラン監督にハマった。これは『トム・アット・ザ・ファーム』と『マイ・マザー』に比べるととても長く、それだけ分かりやすい作品だった。2月公開の『胸騒ぎの恋人』もとても楽しみだ。


8. 消えたシモン・ヴェルネール(ファブリス・ゴベール)
http://www.kietasimon.com/
サントラはソニック・ユース。学園もので、登場人物それぞれの視点から同じ場面を描く手法は「桐島、部活やめるってよ」にそっくりだが、こちらのほうが先だ。最後はなんだかなーという終わり方だったがそれでも面白かった。


9. コズモポリス(デヴィッド・クローネンバーグ)
https://ja-jp.facebook.com/COSMOPOLIS413
Yahoo!映画のユーザーレビューが酷評だらけ…。でも僕は好きだ。主人公が床屋で髪を切っているシーンや、銃を手にして延々と語り続ける最終シーンの緊迫感がたまらない。


10. ムーンライズ・キングダム(ウェス・アンダーソン)
http://moonrisekingdom.jp/
ウェス・アンダーソンの映画には少し飽きてきたような気もするが、やっぱりこの色使いは好きだ。クラシック曲の多いサントラは彼の作品の中でもこれがいちばん良かった。2014年にも新作「グランド・ブダペスト・ホテル」http://www.foxmovies.jp/gbh/が公開予定で、楽しみだ。





2013年4月30日火曜日

披露宴のBGMについて

4月27日は自分の結婚式・披露宴の日だった。
当初は親戚だけで結婚式、その後に食事会という計画だったけれど、両親に反対されたし、確かに親戚だけ集まっても全然面白くないので、友達を招待して披露宴らしい披露宴をしようということになった。
ただ僕も妻も目立つことが苦手なので、手紙の朗読とかキャンドルサービスとかはなしにした。やりたい演出を決めていくよりも、やりたくない演出を決めていくという、消極的な方法だった。
それでも、終わった後には「良い披露宴だった」と友達や親戚、両親から言ってもらえたので、本当にやって良かったと思う。

BGM選びにはいちばん時間をかけた。せっかくなのでブログに残しておこうと思う。


・新郎新婦入場:
 Stardust / Hoagy Carmichael

映画『人生はビギナーズ』のオープニングで使われていて、とても良い雰囲気の曲。失恋を歌った曲だけど、それで始まるのが自分の披露宴には相応しい気がしたので。





乾杯:
 Where or When / Peggy Lee

ミランダ・ジュライの映画『ザ・フューチャー』で、恋人二人を再び結びつけるしるしとして使われた曲。ゆったりした曲調で、上品な雰囲気が出て良かったと思う。





ウェディングケーキ入刀・ファーストバイト:
 Wouldn't It Be Nice / The Beach Boys
 Please Let Me Wonder / The Beach Boys

The Beach Boysの2曲。BGMを考え始めたとき、いちばん最初に"Wouldn't It Be Nice"が思い浮かんで、そのまま使った。明るい曲調も歌詞も披露宴にぴったりだと思った。"Please Let Me Wonder"の歌詞もとても好きだ。





テーブルフォトサービス:
 悲しみのラッキースター / 細野晴臣
 White Sky / Vampire Weekend
 The Boy With The Arab Strap / Belle & Sebastian
 
明るく軽快な曲調が良かったのでこの3曲にした。実際にやってみたら、9テーブル回るのに3曲じゃ全然足りなかった。ここは最後に考えたので手抜き選曲になってしまった…。





お色直し退席:
 Don't Look Back / She & Him

妻がズーイー・デシャネル好きなので。これも失恋っぽい歌詞だけど誰も分からないだろうと思って選んだ。





お色直し退席中:
 Today Is The Day / Yo La Tengo
 I'll Be Your Mirror / The Velvet Underground
 Milk-Heavy, Pollen-Eyed / Laura Gibson
 Time Has Told Me / Nick Drake
 Wayward / Vashti Bunyan
 Two Doves / Dirty Projectors
 O, Evelyn... / Owen
 This Must Be The Place (Naive Melody) / Talking Heads

自分が会場にいない間だから選ばなくても良かったんだけど、せっかくなので選んだ。うるさくなくてゆったりした音楽、洋楽で、しかも歌詞の内容が良いものという条件で約30分間のプレイリストを作った。プランナーさんに聴いてもらったら「乾杯の後に流しましょう」と言われて、それも良いなと思ったのでそうしてもらった。退席中に流れたのかどうかは分からない。
この流れは自分でも気に入っている。





お色直し入場:
 Party / 麓健一

お色直しは和装にしたので、後半は日本語の歌を多めにした。
歌詞が「しらけたパーティー」という単語で始まるけど気にしない。大好きな麓健一の曲にのせて入場できて満足。


祖父母へのプレゼント贈呈:
 とつとつアイラヴユー / 二階堂和美
 スマイル / 細野晴臣

祖父母のイメージに合わせてささやかな愛情を歌っている曲を選びたかったので、この2曲にした。





・プロフィールムービー:
 o.A.o / くるり

プロフィールムービーで親を感動させよう、友達に感謝を伝えるものにしようという目標ができてからは自然と構成が浮かんできたので、寝る間を惜しんで頑張って作った。
歌詞の最後に「ありがとう」という単語がある。


両親への花束贈呈:
 One Of These Days / Owen

もし自分が披露宴をすることになったら必ずかけようと決めていた曲。自分で収入を得て自立することで、かつて自分を育ててくれた父親の偉大さを実感することを歌った曲。





新郎新婦退場:
 小旅行 / cero
最後に相応しい曲がなかなか思いつかなかったけれど、大好きなceroをかけたら自分が良い気分で退場することができるのではと思い、選んだ。


退場後:
 Contemporary Tokyo Cruise / cero
 続きを / salyu × salyu
「続きを」は結婚のずっと前、気持ちが落ち込んだときによく聴いていた曲。坂本慎太郎の歌詞が素晴らしい。





以上。
完全に自己満足の選曲なので、選んでいるときがいちばん楽しかった。
披露宴の本番でこのBGMが流れたときも、会場が自分の想像通りの雰囲気になって良かった。


8tracksにも前編、中編、後編の3つに分けてまとめた。
前編:http://8tracks.com/uich/bgm
中編:http://8tracks.com/uich/bgm-2
後編:http://8tracks.com/uich/bgm-1





2013年3月9日土曜日

結婚式のこと

結婚式(披露宴)の打ち合わせで郡山へ。今日で4回目。
式までもう2か月を切っている。

結婚式の準備は、やってみると少し大変だ。
最初は親がいろいろ意見を言ってきて困ったこともあった。でもそれは二人で話し合って受けいれた。その後はある程度自分たちの好きなように決めている。


招待状は表参道のWinged Wheelで気に入ったものがあった。
招待状は昨日発送した。

最近の週末は雑貨店や食器店などに引き出物を見に行ったりしている。
招待した友達みんなに喜んでもらえるものにしたい。

あとはBGMも選んでいかないと。くるりの曲は必ずどこかで使うつもり。『人生はビギナーズ』のサントラからも何か使えたらいいな。
普段は暗い音楽を聴くことが多いので、明るい音楽を選ぶのはとても難しい。


今日の打ち合わせでは席順、妻のヘアメイク、会場の装花、料理とかを大まかに決めた。
料理は僕の地元の福島と妻の地元の新潟にちなんだものにしたいと思っている。

式場の方の話では、「東京からの招待客が多いので福島の食材は使わないでください」という人もいるらしい。それを聞いて悲しくなった。
震災から2年が経つけれど、福島に住んでいる人はこんなコンプレックスをあと何十年抱え続けていかなければならないのだろう。


打ち合わせの帰り、うすい(郡山の老舗デパート)に寄ったんだけど、あまりお客さんがいなかった。あれ、郡山ってこんなに活気がない街だっけ…と思った。
郡山駅から新幹線に乗って東京駅に戻ってきたら、まるで別世界に来たような感覚だった。いつも感じるけれど、今日は特にそう感じた。

2013年1月2日水曜日

cero COUNTDOWN PARTY 2013

12月31日、渋谷WWWで行われたceroのカウントダウンライブに行ってきた。

年末から1月2日までは東京で過ごすことになりそうだったので、ceroを知らない妻を2週間くらいかけて説得した。説得は一度は失敗したが、家でCDを毎日かけるなど地道な努力を重ねた結果、一緒に行ってくれることになった。

ライブが終わった頃には妻もすっかりceroを好きになっていた。嬉しかった。

ライブの内容は、『My Lost City』の全曲をアルバムの曲順通りに演奏するもの。その後にアンコールで「21世紀の日照りの都に雨が降る」と「大停電の夜に」を演奏して終演。
改めてアルバムの曲順通りに聴くことで、最後の「わたしのすがた」でceroが伝えたいことがよく分かった気がした。

2012年は洋楽に対する興味が薄れたことに加えて、震災と原発事故を経た日本人がどういう音楽を作るのか、ということに興味が向かい、日本の音楽ばかり聴いていた。その中でも特にceroの『My Lost City』は今年いちばん聴いたアルバムだ。
くるりの新譜もとても良かったが、自分の中でceroはくるりを簡単に超えてしまった。


夢のようなライブだった。
今はもう2013年の1月2日だ。
大晦日のことが遠い昔のように感じる。

「わたしのすがた」の歌詞にある<海がでてくる夢をみていた/あるはずない みたことない 誰もしらない パラレルワールド>というフレーズそのものだな。


2012年12月31日月曜日

2012年、映画館で観た映画ベスト10



1.ザ・フューチャー 
http://www.the-future-film.com/
ミランダ・ジュライの長編映画、第2作目。シアター・イメージフォーラムの「イメージフォーラム・フェスティバル」で観た。
第1作『君とボクの虹色の世界』も短編集『いちばんここに似合う人』も大好きでつまりはミランダ・ジュライのファンなので、今年はこれが観られてよかった。日本では観られないんじゃないかと心配していたから。さらに嬉しいことに来年1月からロードショーも決まっているので、また妻と一緒に観に行きたい。
Beach Houseの"Master of None"が映画の中でとても印象的に使われていて、この曲を聴くだけで一気に映画の中の光景を思い出す。何かを始めようとして挑戦するが、結局何もできずに挫折し、変な方向に進んでしまう主人公。映画のテーマにぴったり合っていると思う。


2.人生はビギナーズ 
http://www.jinsei-beginners.com/
ミランダ・ジュライの夫であるマイク・ミルズの2作目。
ちょうど結婚を決意した頃に妻と一緒に観た。その頃は結婚に関して自分の親が言ってくることにかなりうんざりしていて、結婚は決して楽なことではないなあと思っていた。
この映画からは、恋人との付き合い方や、両親の人生を受け容れて生きていくことなど、教えられたことが多い。今年はこの映画に出会えて良かった。
主人公が病気の父親と過ごした日々の記憶のシーンと、すでに他界している母親との幼い頃の記憶のシーンが特に良い。自分にもいつか親が死ぬときが来るのだろうと思いながら観ていた。


3.白夜(ニュープリント版) 
http://www.byakuya2012.com/
ロベール・ブレッソンの映画。日本での初公開は1978年で、それ以来は映画祭などでしか観ることができなかった作品。ドストエフスキーの原作も読んだけれど面白かった。
セーヌ川に反射する光とか、バトー・ムーシュで演奏される音楽とか、マルトがしている赤いマフラーとかが、頭に焼きついて離れない。孤独な主人公のジャックが好きだ。


4.果てなき路 
http://www.mhellman.com/
モンテ・ヘルマンの21年ぶりの作品。
映画監督である主人公がノースカロライナで実際に起きた殺人事件を元にした"Road to Nowhere"という映画を作るのだが、その映画の中のストーリーと、主人公がいる現実世界のストーリーと、本当の殺人事件のストーリーが交錯しているので、一度観ただけでは意味が分からない。殺人事件の犯人であるヴェルマ役のローレルに監督自身が惚れ込んでしまい、身を滅ぼしていく過程も最高に面白い。
同じモンテ・ヘルマンの過去の作品、『断絶』(ニュープリント版)も同時期に観たけど、これも面白かった。


5.メランコリア 
http://www.melancholiathemovie.com/
ラース・フォン・トリアーの映画が特に好きというわけではない(『アンチクライスト』もまだ観ていない)けれど、これには打ちのめされた。長い長い鬱展開が続いて本当に暗い気分になって、もう解放されたい…と思っていると、最後に惑星メランコリアが地球に衝突してすべてを吹っ飛ばす。この快感は映画館で観ないと味わえないと思う。
ラース・フォン・トリアーの次の作品タイトルは"Nymphomaniac"らしい。これもとても気になっている。


6.ル・アーヴルの靴みがき 
http://www.lehavre-film.com/
アキ・カウリスマキの作品でいちばん好きだ。こんなに心優しいハッピーエンドがあるのか、と感動した。インタビュー記事などを読むと、監督自身はとても厭世家っぽいのだが…。
主人公が密航者の少年を警察から逃がすシーンも好きだけど、主人公の妻が病気から復活したシーンはもっと好きで、泣いた。カティ・オウティネンに後光が差しているように見えた。


7.ミッドナイト・イン・パリ
http://www.midnightinparis.jp/
ウディ・アレンの42本目。何も考えずに観られる。
オーウェン・ウィルソンのぼーっとした顔、ポケットに手を突っ込んで歩く姿、優しい喋り方が大好きだ。


8.危険なメソッド
http://dangerousmethod-movie.com/
デヴィッド・クローネンバーグの新作。
『イースタン・プロミス』や『ヒストリー・オブ・バイオレンス』が素晴らしかっただけに、ファンからの評価は低そうだが、僕は好きだ。
ユング(医者、心理学の師)とザビーナ(患者、心理学の弟子)の関係が最後に反転してしまうシーンがあるが、そこでユングが語る台詞が良かった。


9.ルビー・スパークス 
http://rubysparksjp.tumblr.com/
『リトル・ミス・サンシャイン』の監督夫妻の最新作で主演が『リトル・ミス・サンシャイン』の無口な兄役のポール・ダノなら、好きにならない理由がない。
映画の内容は予想していたよりも遥かに軽くて拍子抜けだったけど…。


10.NINIFUNI
http://ninifuni.net/
真利子哲也監督の短編映画。「Z」がつかない頃のももクロが本人役で出演している。地方都市の浜辺に主人公が車を停め、練炭自殺する。車の窓ごしに、少し遠くでももクロがPVを撮影しているのが見える。手前には主人公の死体。このショットは最高だった。


観たかったのに見逃してしまった映画は『ニーチェの馬』、『テトロ』、『少年は残酷な弓を射る』、『籠の中の乙女』、『わたしたちの宣戦布告』、『最強のふたり』、『別離』など。

2012年5月15日火曜日

ミランダ・ジュライ『ザ・フューチャー』



イメージフォーラム・フェスティバルでミランダ・ジュライの『ザ・フューチャー』を観てきた。

メモ:

・前作『君とボクの虹色の世界』より分かりやすい。
・マイク・ミルズの『人生はビギナーズ』とあわせて観ると面白そう。
・『君とボクの虹色の世界』とは全然違って、暗い。
・僕は結末に希望を感じず、とにかく悲しいだけだった。
・主人公は何かに憧れを持っていて、他人のことが羨ましくて、自分でも何かすごいことをしたくて試してみるけど、結局上手くいかず、気の迷いから汚いオヤジと浮気してしまい、最後には出戻ってくる。まるで自分の過去を見ている気がして辛かった。
・ソフィーは必死なんだろうけど、他人から見たら変な人にしか見えない。それが辛い。
・ジェイソンはソフィーから浮気を告げられる直前に自分の時間を止めてしまい、辛い現実から目を背けた。でも実は時間は流れていて、怪我をした猫を引き取る日は過ぎ、猫は処分されてしまった。ジェイソンが時間の流れを元に戻したときにはもう遅かった。
・幸せなときには時間を止めたいと思うし、幸せじゃないときには時間が早く過ぎ去って欲しいと思う。どちらにせよ時間は流れてしまう。
・『人生はビギナーズ』のラストには「これからどうなるか分からないけれど、試してみよう」という前向きなメッセージがあったけれど、『ザ・フューチャー』 は? ジェイソンはソフィーに「一晩たったら出て行け」と言いつつ許してあげる気もするけれど、ソフィーはどんな気持ちで眠りについたのだろうか?
・ソフィーの服がかわいい。
・猫がかわいい。
・二人を結びつける曲、Peggy Leeが歌う"Where or When"がとても良い。


『ザ・フューチャー』は短編集『いちばんここに似合う人』の読後感と似た、不思議な、わけもなく悲しくて泣けてくる映画だった。


ちなみに僕はこの映画を何があっても観たかったので朝の10時半に並んで整理券を取ったけれど、12時半頃には既に整理券が無くなってしまったらしい。整理券があることを知らずに上映時間前に来たけれど映画館に入れなかった人が沢山いた。東京の映画祭だけで終わらせるのはもったいなさすぎる映画なので、一般公開してほしい。


The Future - Official Trailer [HD]


Peggy Lee "Where or When"